マクロファージが癌を促進させていた。 その2
検索したら2011年のニュースなんですね。
難しいのでコメントはできませんがアップだけしておきます。
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「北大など、マクロファージが発がん活性能を獲得することを発見」(マイナビニュース)
全文はリンク先でお読みください。
北大遺伝子病制御研究所・感染癌研究センターの地主将久教授へのインタビュー。
がん幹細胞がマクロファージをがんの抑制から促進に悪性転化(文部科学省科学研究費新学術領域研究 がん研究分野の特性を踏まえた支援活動)
・・・とりわけミエロイド細胞のなかでも最大で数も多いマクロファージは、細菌やウィルスを貪食(どんしょく)・分解して免疫を活性させるので、(ヒトにとって)非常にポジティブな存在です。こうした免疫細胞はがんに対しても同じ働きをするだろうかという発想のもと、1980年代からがん免疫の研究が始まりました。その中心となったのがアメリカがんセンターに相当するNCIのローゼンバーグ(S.A.Rosenberg)博士です。一方で、マクロファージががんの増殖を助ける中心的役割も果たしていることをアルバート・アインシュタイン医科大学のポラード(J.W.Pollard)博士が2006年に提唱したのです。ポラード博士の提唱は、がんの免疫を研究してきた自分にとって新鮮でした。ちょうどハーバード大学に留学中で、がん細胞と免疫細胞のコミュニケーション(相互作用)について、とくにマクロファージががん細胞のサポーターに転換してしまうメカニズムについて、自分でも追求したいと思ったのです。
がん組織の中にある免疫細胞はがんを攻撃してくれないのですか?
ポラード博士の実験によれば、マクロファージが欠損したマウスに乳がん細胞を植えるか、自然に変異をおこして乳がんを発症させたマウスとでは、がんの発症での違いはみられないものの、がんが悪性化する速さ(がん細胞の分裂速度)を比べると、マクロファージが欠損したマウスのほうが明らかに転移しにくいというのです。つまりマクロファージは、がんの初期段階ではなく、浸潤して転移をまねいたり、治療がきかなくなる段階になると重要な働きをすることが考えられます。
帰国後に私もこの研究に本格的に取り組みはじめ、最初のうちはかなり苦戦しましたが、がんを抑制する役割をもつはずのマクロファージを腫瘍活性(がんの悪性化を進めるはたらき)に転換するのががん幹細胞であることを明らかにしました(2011年発表)。
具体的にはどういうメカニズムなのですか?
この研究は大腸がんや肺がんといった固形がんが対象です。ミエロイド細胞が「異物」であるがん細胞を取り込めば、分解してしまうか、分解した一部をペプチドというアミノ酸の断片に分解します。分解されたものはMHCという組織腫瘍抗原に提示され、提示された情報からリンパ球は、分解されたのが自分の細胞と認識すればリンパ球の活性化は起こさず、炎症や免疫反応を抑制する細胞を誘導します(免疫寛容)。他者の細胞(バクテリアの細胞とかウィルス、がん細胞など)と識別するとリンパ球は活性し、情報をもつ対象のところまでいってそれを殺すのです。
ところで、がん細胞のうちで1%足らずしか存在しないというがん幹細胞は、発がんの成因とされていますが、ほかの細胞や組織などの支持がないと生きていけません。骨髄にある正常な造血幹細胞が骨芽細胞やマトリックスとよばれる組織等の支持がないと生きていけないのと同様です。このがん幹細胞だけを取り出してマクロファージと一緒に培養すると、マクロファージは IL-6MやMFG-E8というサイトカインを産生します。これががん幹細胞の活性を起こすのです。一方、がん幹細胞以外のがん細胞をマクロファージと培養してもマクロファージはがん細胞を食べてしまい、決してがん促進マクロファージにはなりません。
興味ぶかいことに、IL-6やMFG-E8は正常な状態ではがん遺伝子ではないのに、がん幹細胞に対してはがん幹細胞の生存や増殖を促進したり、抗がん剤を効かなくする働きをもつ遺伝子を活性化していると考えられています。
・・・
マクロファージは細菌やウィルスを貪食・分解して免疫を活性させるけれど
がん幹細胞との相互作用では悪性転化する。
しかしがん幹細胞以外のがん細胞では悪性転化しない、
ということでしょうか。
それからこんなのもありました。
こちらはがんの死細胞を食べる新マクロファージ。
「がんの死細胞を食べ、がん免疫を活性化する新マクロファージを発見」(独立行政法人 理化学研究所)
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