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あいさつ

表紙の写真の作品は、2003年に制作したものです。
尚、当ブログの記事の引用・転載は必ずリンクを貼ってください。


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人類は思考に閉じ込められている


下のページからの続きです。

ボームはこう答えている。

「科学においては、われわれは首尾一貫した、適合する方法を見出そうと務めている。新しいものは何であれ、初めは思考を絶している。人々の考え方は固定している。『屋根の上のバイオリン弾き』の中で、テヴィエは、非ユダヤ人への彼の娘の結婚を合理化することができなかった。なぜなら、彼は考えられないことーーーユダヤ人は特別の選民ではないーーーを考えねばならなかっただろうからだ。だから彼は代わりに言った。「私の娘は死んだ。」と。

(天才は閉塞物を解消するエネルギー ーーー考えられないことを考えるーーー から成る)

閉塞物や偏見を見つけるにはどうしたらいいかのかという質問に対して、ボームはこのように答えてインタビューを締めくくっている。

「思考はそれ自身を変容させ、それ自身を秩序正しくさせることはできない。なぜなら、思考は物質(matter)だから ーーー思考は事物(thing)なのだ。物質が物質を知ることはできない。何が物質を超越しているのだろうか?その究極の根源はおそらく、精神の究極の根源と同じ未知なるものなのだ。変容をもたらすものは洞察である。われわれは、意識の全体への洞察を体験することができる。」

以上。

数え切れないほどボームのことを書いてきたので
以前からの読者の方には目新しさはないでしょうが、
好きなボームのことはこれからも時々取り上げていきますね。

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私はよく、
月は天体じゃなく実は穴で
穴の向こうから光が射し込んでて、
地球は私たちは閉じ込められているんだと
よく書いているけれど、
リアルに書くと、
昼間は太陽で気づかないけれど、
夜になって月が見えるときだけ閉じ込められていることに気づく。
そう考えると太陽はあらゆるものを照らすけれど、
隠すこともする。

人類規模の思考と置き換えても面白い。
人類は思考に閉じ込められているというふうに。

人々の考え方は固定しているといえば、
以前にも書いたことがありますが、
起きることは全て必然という考え方は昔から好きではありません。
今でもそれは変わらない。

だって全て必然だとしたら自由がないもの。
それこそ固まっている。
身動きできない。
偶然があるからこそ面白い。


| デイヴィド・ボーム/カール・プリブラム | 23:46 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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あるインタビューの中でボームはこう答えた


「個人の受けた教育が専門的であればあるほど、彼(ボーム)の理論を理解する見込みが少ない。物理学者は、いままさに袋小路に踏み込んでいる。彼はいくつかの物事を発見するかもしれないが、しかしそれはあまり深化することはないだろう。彼らは、結果を生むことばかりこだわってきたのだ。物理学の真の素材は思考の性質である。思考は変化し続ける。絶対的または最終的思考というものはない。それゆえ、真実性(リアリティ)は思考ではありえず、何かもっと深く、もっと根源的なものでなければならない」

この問題を物理学者が追求するのを妨げているのは何なのですか、という質問に対して、ボームはこうこう答えている・・・

つづく

| デイヴィド・ボーム/カール・プリブラム | 16:57 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

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